「氷裂2015」 氷裂の名の如く、極寒の季節をくぐりぬけてしか生まれ得ない作品である。凍り裂ける表情の変化、微かに上部をすぼめた立ち姿、切り込みも含め創作上の難易度の高さを越えた深みある秀作である。

「審査所感

第4科 工芸美術 審査主任 武腰敏昭

この度の改組 新 第2回日展の審査は、昨年に引き続き更なる新しい風を入れ、充実を図るため、工芸美術に卓越された3名の外部審査員の御参加を賜り、20名の構成により緊張感の中で厳正に行った。多岐にわたる工芸美術は、地方独特の技術や新しい手法を用いた意欲的な作品が多く見られ審査は4審まで丁寧に行い、応募数724点中から新入選36点を含め430点を入選とした。 特選は独自の創意に満ちた秀作、漆、陶磁、金属、染、硝子、人形10点を選出した。この入選及び受賞を励みとされ、尚一層、未来の日展工芸美術の発展のために努力を重ね邁進される事を心から望みたい。